誰も彼もみんな、罪と罰の後には立派な正義漢が誕生するという妄想を持ちすぎではないか。
何もなかったように満足充実満喫生活を謳歌している元受刑者を他人は認めない。懺悔に打ちひしがられる犯罪者の姿を見て世間は安心する。だからその世間様を安心させるためにうつむいて歩くフリをする(影でベロ出して笑ってるんだけど)。ステップだって一緒だ。
正しい回復って喪失、迷い、試行錯誤、悩み、信頼、決心そんなプロセスを辿ることなんだろうけど、そうじゃないもっとめちゃくちゃで型にはまらない、説明のつかないようなストーリーってのもあっていんだと思う。
ただ覚せい剤さえ使わなければいいんじゃないか。そういう生活さえしていけばいいんじゃないか。断薬することで一皮も二皮も向けて聖人君子に生まれ変わることを目標にしなくてもいいんじゃないか。周りを納得させるためだけの規則正しいリハビリ中心の毎日なんかじゃ納得できないよ。誰も言ってくれないから自分で言う。
「とりあえずやんなきゃいんだよ」
言ってること初心に戻っちゃってる。歪んでんな。こんな笑っちゃうようなステップでどんなダンスが踊れるってんだ。