ヤズコルヤズカマク

ヤズコルヤズカマクとはケチュア語で「行って目にして帰ってきたもの。目撃者…火山の内部を見た者。翼をもつ赤い存在…自らの弱さを全て焼き払った…を意味する(「赤の自伝」より)

ボクの彼氏の話〜「彼氏をつくる」と書いた念書を貼って破いて、貼って破いて…繰り返した末の顛末〜

私事ではあるが、彼氏ができた。

境界性人格障害の彼氏ができた。ちなみに松沢病院で診断されたっていうからガチなやつだ。

はじめて行ったゲイバーで知り合って、次の日にデートしてからの三連泊。この辺まではよくある話だが、さすがはボーダー、一週間後には家財道具をいっさい持ち込んで越して来た。住民票の異動もすましてしまった。 限りなく手際がいい。仕事も辞めて療養と専業主夫業に徹すると決めたらしい。徹底して勢いがある。

越してきた日を付き合った記念日にしようと宣言していたが、そこらへんは適当でいいらい。さすがボーダー。境界が曖昧だ。

 

彼はとてもかわいい。とてもかわいい顔をしている。かわいい顔をしている人にありがちたが、性格はえぐい。ここに来る前は、元彼と元々彼と3人での共同生活をしていたらしい。ポリーではないと言っているがよくわからない。ボクにとってはボクの彼氏という肩書き以外あまり興味がない。彼がベランダで家庭菜園をしているのをみるのが好きだ。彼の育てるグリーンはいつも元気に育つ。それだけでいい。

 

ボクはよく笑うが、彼はよく泣く。眠る前に昔話をしながら危機迫るように泣く。それが毎晩続く。ボクは眠剤が合ってないんじゃないかと思い、そのことを指摘しようと思うが、布団の中、彼は過去のトラウマに忙しく、ボクの図太い睡魔はそれにかまわない。彼が泣き疲れて眠ってしまうのを見届けて眠りたいが、いつもボクの方が先に意識を失っている。

いつか彼が「僕と別れたらどうする?」と聞いてきた時、ボクは「全力で次の相手を見つける」と答えた。彼は怒り狂い(まあ元々少し狂い気味ではあるが)「出ていく」と騒いだ。ボクは「誰かと一緒に暮らす心地よさを教えてくれてありがとう」という意味でこの言葉を発したのだが………行間に意味を込めすぎて人を混乱させてしまう癖がまた出てしまった。ごめん。

 

彼は朝になると何もなかったように美味しいコーヒーと手作りのパンを準備してくれる。ボーダーは気分を長持ちさせることができない。とても良い長所だ。

ボクが仕事に行ったら、またベッドに入り、きっと昼過ぎまで寝ているんだろう。ボクはやっぱり眠剤があっていないんじゃないかと思う。

 

彼の悪いところ?そうだなあ。

トイレに入ると、蓋がいつも開けたままになっている。これだけは改善して欲しいと思う。

6年ぶりの彼氏に対して、ボクはわがままなんだろうか。

 

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ボクは反社会性人格障害だからきっとボーダーとは仲良くできるはずだ。